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オークマが選ばれる理由

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外注していたマシニング加工を内製化し、高生産性と高精度を両立
初めて導入した複合加工機「MULTUS U3000」により事業拡大

株式会社𠮷田鐵工所 様

業種
精密部品の切削加工
複合加工機 MULTUS U3000

現場の課題

付加価値の高い複雑形状部品の受注
高い生産性と省人化を両立し、多品種少量への対応力を強化したい

創業時から鍛えた旋削技術で工作機械の部品加工を中心に40年以上の歴史を積み上げてきた。取引先の拡大を図る中で、複雑形状部品の受注が増加し、旋削加工の後工程であるマシニング加工を外注する比重が高くなっていった。
長男が家業を継ぐことを決意したのを機に経営を見直し、マシニング加工を内製化して付加価値の高い部品を一気通貫で納入できる企業に成長しようと考えた。しかし、限られた工場のスペースの活用、オペレータの作業負担軽減、ランニングコストの削減など課題が山積する中、高い生産性と省人化を両立しながら多品種少量に対応するには、どのような機械を導入すべきか検討を重ねていった。

課題解決に選ばれたオークマ機

複合加工機 MULTUS U3000

導入の決め手

取引先が要求する部品のニーズに合わせて
高い加工能力と幅広い加工領域で生産性向上が期待できる「MULTUS U3000」を選択

新型機の導入は経営を左右する大きな設備投資だけに機種選定には慎重を期し、まず取引先10社に「5軸制御マシニングセンタまたは複合加工機を検討しているが、どのような部品の受注が見込めるか」を聞き取りしたところ、10社から提示された部品はø400mm程度のフランジ形状部品が多くありました。また、初めての導入であれば5軸制御マシニングセンタよりも使い慣れた旋盤ベースの複合加工機の方が自社に適していると考え、複数の工作機械メーカーの複合加工機を検討し、最終的に生産性の観点でオークマの複合加工機「MULTUS U3000」が当社にとって最適な部品加工ができる1台と判断しました。
なによりMULTUS U3000の旋削・ミ―リングの加工能力は3軸機の立形MCやNC旋盤並みで、負荷をかけても止まることのない高い剛性は、長年使い続けているオークマ機で実証済みです。さらに、オプションが豊富で幅広い領域で工程集約と生産性を追求できると感じました。
また、長男がオークマで実際に複合加工機の実機に触れ、衝突防止機能「アンチクラッシュシステム」に大きな安心感を抱いたことが導入の後押しになりました。新分野の加工にも挑戦できるよう金型の加工面品位を高める「Hyper-SurfaceⅡ」、プログラムが難しい可変ピッチねじに対応できる「可変ピッチねじ切り機能」、長いシャフトの精密加工に欠かせない「振れ止め」などのオプションも採用しました。(𠮷田 高幸 様)

代表取締役 𠮷田 高幸 様
代表取締役 𠮷田 高幸 様
CAD/CAM担当・オペレータ 𠮷田 征弘 様
CAD/CAM担当・オペレータ 𠮷田 征弘 様

導入後の効果

マシニング加工の内製化、「MULTUS U3000」により生産性が30%以上アップ
過去40年間で最大の月間売上を記録

従来は当社で旋削加工をして後工程のマシニング加工は外注していましたが、「MULTUS U3000」であればワンチャッキングで全加工が可能です。旋削加工に加えてマシニング加工を取り込めたことで付加価値の高い複雑形状部品の受注が増えています。そうした加工も外注することなく納入できるので、まとまった数量の注文が入れば効果は絶大です。例えば、ある月に同一部品150個の注文が入った時は、1度プログラムをつくってしまえば、機械にワークをセットするだけのため、月間売上が過去最高を記録しました。搬送の手間と時間を削減し、作業者の負担を最小限にしながらも精度のバラつきなども抑えることができ、生産性は30%以上アップしています。

新規の取引先からかつてなかった難しい加工案件も増加

新規の取引先から「『MULTUS U3000』なら、こんな加工ができないか」という新規案件の問い合わせも多く、以前に比べて加工できる部品は20~25種類ほど増えています。例えば、ステンレス材を肉厚3㎜まで削り出す半導体関連の試作部品です。容易に加工できる部品ではありませんが、量産につながる可能性があるので、40本ATCの工具をフル活用して稼働率をさらに高めることができるように注力しています。

複合加工機の導入により付加価値の高い部品を受注できるようになり、新規顧客の案件も増加している
複合加工機の導入により付加価値の高い部品を受注できるようになり、新規顧客の案件も増加している
CAD/CAMから加工までのプロセスを一貫して担当することで、より高品質な製品を提供している
CAD/CAMから加工までのプロセスを一貫して担当することで、より高品質な製品を提供している

導入後の感想

連続運転でも安定した加工精度を確保でき補正作業は不要に

工場内は機械同士の間隔が狭いため熱の影響をかなり受けます。しかし、「MULTUS U3000」は長時間の連続加工でも高い精度を安定的に維持することができ、長時間加工時の寸法精度のバラつきがないのは、機械剛性と「サーモフレンドリーコンセプト」による熱変位制御の恩恵です。これらは導入前に心配していた点ですが全くの杞憂でした。真夏のフル操業時の工場は空調が効かないほど温度が上がりますが、抜群の寸法安定性を発揮してくれることを期待しています。(𠮷田 征弘 様)

ぶつかる心配のない「アンチクラッシュシステム」の安心感は格別

加工で機内衝突させてしまった経験があるため、プログラムによる自動運転中だけでなく、手動運転中にも干渉や衝突を検知して自動停止する「アンチクラッシュシステム」が標準装備されているのはありがたいです。ぶつかる心配から解放されて段取り時間や初品加工時間が大幅に短縮でき、機械動作が複雑な複合加工機には必須の機能だと実感しています。

今後の展望

CAD/CAMによる複雑な自由曲面加工などにも取り組み
取引先から「無くてはならない会社」と言われたい

「Hyper-SurfaceⅡ」「可変ピッチねじ切り機能」「振れ止め」といったオプション機能をフル活用して「MULTUS U3000」の潜在能力を最大限に引き出せる日も遠くないと確信しています。
当面はCAD/CAMによる複雑な自由曲面加工に取り組むのが目標で、最終的には取引先から品質・コスト・納期の全てで「無くてはならない𠮷田鐵工所」と評価される会社になることが私たちの夢です。
また、「MULTUS U3000」で加工した食品用撹拌機部品をMade in Japanブランドで東南アジアに向けて販売していくビジョンも描いています。
そんなビジョンを描けるのも素晴らしい複合加工機を導入できた賜物だと感じています。

ぶつかる心配のない「アンチクラッシュシステム」で段取りや初品加工時間を大幅に短縮
ぶつかる心配のない「アンチクラッシュシステム」で段取りや初品加工時間を大幅に短縮
小物加工は「LB2000EXⅡ」「GENOS L250Ⅱ」で、中・大物加工は「LB3000EXⅡ」「LB4000EXⅡ」「LB45Ⅲ」を駆使し、卓越した旋削技術を発揮
小物加工は「LB2000EXⅡ」「GENOS L250Ⅱ」で、中・大物加工は「LB3000EXⅡ」「LB4000EXⅡ」「LB45Ⅲ」を駆使し、卓越した旋削技術を発揮

お客様情報

株式会社𠮷田鐵工所 様
(愛知県弥富市)

1981年、創業者である先代社長が「𠮷田鉄工所」を開業し、工作機械の部品や樹脂金型の加工を手掛ける。旋削加工から始め、CNC旋盤など設備を増強し、重工業メーカーの部品加工にも進出。2021年に法人化し株式会社𠮷田鐵工所となり、現社長の長男が事業承継の意思を固めたことを機に外注していたマシニング加工の内製化を決意。2024年12月、初の複合加工機「MULTUS U3000」を導入し、新規ビジネスの創出、売り上げ拡大を実現している。

株式会社𠮷田鐵工所 様

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  • 複合加工機 MULTUS U3000;

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