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導入事例
オークマが選ばれる理由
半導体の精密部品加工で培った技術をベースに新たな分野へ
多品種少量生産に応える「MU-5000V」
有限会社ホープ・インダストリー 様
- 業種
- 精密部品加工、試作加工・組立

導入背景
次の成長への布石となる一策を模索する中で5軸加工機が浮上
新たな事業領域を開拓したい
3軸の立形・横形マシニングセンタを駆使して試作加工や精密部品加工に対応してきたが、世界的な半導体需要の高まりにより繁忙を極めている。こうした時こそ次の成長に向けた新たな技術の習得や先行投資が必要だ。そこで製造現場から意見を募ったところ「5軸加工機の導入による新たな加工へのチャレンジ」という案が浮上した。
導入機について
導入の決め手
基本性能・操作性・拡張性などの観点からオークマの「MU-5000V」を選びました
工程集約への期待は高いものの複雑なプログラム作成や干渉チェックの難しさ、機械の衝突による機械停止などの不安はありましたが、次の成長を見据え、長時間の無人運転による生産性向上の必要性を感じ導入計画を進めました。
機種選定では、3社の5軸加工機を比較・検討し、選んだのが「MU-5000V」です。決め手は、精密加工に不可欠な3軸機に劣らない高い5軸加工精度、加工能力、OSP-P500の21.5インチ操作盤やインターフェイスの操作性です。もちろん導入前後のサポート体制やメンテナンス対応は重要ですが、この点については、他のオークマ機で実証済みですから不安はありませんでした。(鈴木 貴弘 様)



導入後の効果
ワンチャッキングで複数の工程を加工できるため、段取り替え時間を35%削減
3軸加工では工程が分割されるため段取り替えに時間や手間を要しますが、5軸加工では工程集約によりワンチャッキングで複数の工程を加工できるため、作業負担が大幅に軽減できました。
また、3軸加工では部品形状によっては長いエンドミルを使ったり、部品の段取りを替えて加工方向を合わせたりする必要があり、加工物の芯出しや治具、工具の干渉を含めた段取り準備に時間がかかります。これに対して「MU-5000V」は、ワンチャッキングで斜め穴や裏面取りの加工が必要なワークに対応でき作業の効率化に繋がっています。
5軸でも変わらぬ寸法安定性と加工能力の高さを実感
5軸加工機は軸構成が複雑なため熱変位の影響で安定した精度維持が難しいと思っていましたが、オークマの「MU-5000V」は3軸のオークマ機と変わらない寸法安定性で稼働することができ、熱変位に起因する補正作業はほとんどなく、高い精度を安定的に維持することができました。
暖機運転も不要で、当社では今や「サーモフレンドリーコンセプト」ありきの生産が当たり前になっているため普段は意識していませんが、非常に助かっています。加工能力についても“よく削れる機械”を実感しています。


導入後の感想
2面APC(自動パレット交換)仕様で稼働率を向上
将来の夜間の長時間無人運転を意識して外段取りでワーク取り付けができる2面APC仕様(自動パレット交換)を採用しました。今後、機械の稼働率を高めていき半導体関連部品の生産拡大に応えていくための準備です。
Hyper-SurfaceⅡやファイブチューニングで高面品位を確保
半導体向け部品は、面品位にも高いクオリティが求められます。そこで活用しているのが、CAMの加工データに起因するスジ目やエッジの不揃いを自動補正して面品位を高める「Hyper-SurfaceⅡ」です。これによって加工面品位向上に繋がりました。
また、回転軸の芯ズレなどの「幾何誤差」が生じると加工精度に影響を及ぼしますが、誤差を短時間で自動調整する「ファイブチューニング」機能も安心感があります。
いま多種多様な部品を「MU-5000V」で加工してデータを収集し、5軸加工機の能力や多種多様な部品の5軸加工機による費用対効果を「MU-5000V」で検証している段階です。工程集約はもちろんですが、この機械に期待するのは、新たな加工領域や業種への進出です。それが叶えば事業基盤に厚みが増し、当社の技術をより多くのお客様に享受いただけると考えています。(安藤 誠治 様)



お客様情報
有限会社ホープ・インダストリー 様
(福島県白河市)
1984年、東京都大田区で会社設立。2019年に半導体向け関連検査装置部品の生産拡大に対応するため、福島県に新白河事業所を開設(第一工場)、2023年に隣接地に第二工場を増設。マシニングセンタを核とする精密部品加工を得意とし、半導体向け関連検査装置メーカーや放送・通信機器メーカーなどに製品を納入。2024年2月に同社初の5軸制御立形マシニングセンタ「MU-5000V」を導入。
