加工機はすべてオークマ製、
サーモフレンドリーコンセプト搭載機で厳しい公差をクリア

製品精度を左右するねじ溝の寸法公差は40ピッチ10μm以内で、その1/2~1/3の加工精度を狙う。
当社では、旋盤・マシニングセンタ・複合加工機と3チームに分かれ、連携してワークを仕上げています。加工機は一貫してオークマ機で整え、旋盤は大型の立形「V100R」から横形「LB45Ⅱ」「LU45Ⅱ」「LB35Ⅲ」「LB3000 EX」「LB4000 EX」など、マシニングセンタは立形「MB-46VAE」「MB-66VA」や横形「MA-500HB」「MA-600HB」など。そして、複合加工機は「MULTUS B300」「MULTUS B400」「MULTUS B750」を揃えています。
代表的なワークは、多様なサイズのボールねじの軸やボールを内蔵するナット部品の精密加工です。ボールねじはモータの回転を直線運動に変換し、高精度の位置決めや送りを担い、工作機械や産業用ロボット、FA、半導体製造装置など幅広く活用されています。最終製品の性能を左右する部品だけに公差は厳しく、軸のねじ溝加工では、全長3,100mm、ø140mmの軸の場合、モータ1回転当たりで進む溝の距離が40mmで、公差は40.003mm。溝は一度で形成できず何度も刃を往復させるうちに熱膨張します。
従来は旋盤で補正をかけて対応していましたが、インテリジェント複合加工機「MULTUS B750」の導入により、数値入力だけで寸法精度を確保でき、旋削とマシニング加工の工程集約とも相まって、作業は大幅に軽減できました。大型機ほど熱変位制御は難しいのに、3,000~4,000mmの軸物加工でも「サーモフレンドリーコンセプト」の寸法安定性は抜群で、びびりを抑制する「加工ナビ」との併用で当社の精密加工を支えています。

長さ3,000~4,000mmのワークの加工では、「加工ナビ」の活用が欠かせない。