当社では設立初期から剛性に優れたオークマ機を工場の主力に位置付けています。「サーモフレンドリーコンセプト」が発表された翌年に、これを適用した立形マシニングセンタ「MD-56VA」を導入しました。それまで加工精度を確保するには、度々、工具長補正やオフセット補正が必要でしたが、「MD-56VA」は機械停止後にコールドスタートしても抜群の寸法安定性を発揮し、補正作業は半減しました。以来、生産能力を拡充するごとにサーモフレンドリーコンセプト搭載機を導入し、現在では設備機械120台中の3割強を占めています。
機密保持契約の関係でワークは公開できませんが、5軸制御立形マシニングセンタ「MU-5000V」「MU-6300V」で製造する航空機部品の公差は2～4μmと厳しく、大物加工ほど熱による寸法変化が大きいので、その補正作業を大幅に軽減できるのは非常に助かっています。加工する材料はステンレス鋼、インコネル、チタン合金、超々ジュラルミンなど難削材の削り出しが日常的で、この点でも「サーモフレンドリーコンセプト」は心強いです。
最近では航空機のエンジンカバー部品、海外向け低NOｘ型発電用ガスタービンのブレード加工などが活況を呈し、量産部品では電気自動車のパワーモジュール部品やSUVの安全部品の生産が多忙を極めています。こうした中で品質・コスト・納期に優れたサプライヤーとして多数の納入先から表彰されています。